- 家の建て方
【誰も気づかない、温度差がある家の落とし穴】

『週刊誌SPA!を通して家の違いを知る-5』
前回の、
天井が高い
1 吹き抜けで開放感のある家に
死のリスクが充満する!?
の私の文章の続きに、
内科医の大森真帆氏も極端な温度差によるリスクを指摘する。
「寒暖差による血圧の急激な変化で血管に負担がかかり、心筋梗塞や脳梗塞などの血管障害を引き起こす可能性があります」
ヒートショックは冬のみならず。夏場は冷房を強く効かせるうえ、天井が高い居室空間は、より体を冷してしまいやすいのだ。
さらに、同じく解放感の魅力の大きい窓にも病の危険性が潜んでいる。
環境衛生コンサルタントの松本忠男氏は、コールドドラフト(冷たい窓辺から発生する下降冷気のこと)に注意を促す。
「窓が大きいと、室温が外気の影響を受けやすくなるため、エアコンをより強く効かせる必要が出てきます。それによって結露が多く発生し、カビの増殖を促します」
上郡氏も、窓に注目する。
「大きい窓だけでなく、アルミサッシも断熱性が低いため同様です」
思わぬリスクはすぐそばにある。
では、同じページにあるこの写真をご覧ください。
小さな文字での添え書きがあります。
30代記者の自宅ではロフト付きで、吹き抜け同様に温度差が激しい。
夏場のロフトはエアコンの冷気も届かず、常に熱気が充満している。
とあります。
この部屋でさえ、先ほど言われた現象があるのです。
これらは、すべて家の中で起きる上下間の温度差によるものです。
なぜ、こんなにも家の上下間の温度差がある家が多いのでしょうか?
さて、きのうお伝えした‟上郡流の家”では、
「吹き抜けによる、寒さ・暑さは感じたことがない」
と申し上げました。
‟上郡流の家づくり”では、家をひとつの大きな部屋と見ているからです。
それを表すイラストが、これです。
すると先ほどの文章の注意事項は、まったく要らない家になるのです。
それでも窓については、別の角度からの注意点が要りますが、それは次回に。
いずれにしても、今までの常識では考えられない住環境が今はつくり出せるのです。
自著『「病気にならない家」 6つのルール』を読んでみてください。
家に最低限必要な基本をまとめています。